TOEFLとIELTSというテスト
海外留学をする人のほとんどが受けなくてはいけない英語能力テストがTOEFLとIELTSです。海外留学の際に、エリアや学校のレベルに合わせて必要なスコアのラインが決まっており、留学するためにはそのスコアを越えなくてはいけません。
留学をする人が最初に疑問に思うのが、両方のテストでの応募を留学先が許容しているが、どちらを受けるのが良いのか?もしくは、両方受けたのか?といったようなことです。
この2つの試験はどのように違うのでしょうか?目的、難しさ、形式、傾向と対策など様々な観点でTOEFLとIELTSの違いを紹介していきます。
TOEFLとは?
TOEFLは「Test of English as a Foreign Language」の略です。英語を母国語ではなく外国人として学ぶ人の英語能力を判定するテストです。
TOEFLはPBT、CBT、iBTの3つに分かれます。
iBTはInternet Based Testingの略です。iBTは2005年に導入されたもので、その前は紙で試験が実施されるPBT(Paper Based Testing)とCBT(Computer Based Testing)がメインでした。
今はどこでもiBTが中心で、一部、大学や企業での団体受験のときにはTOEFL ITP(旧PBT)が使われることもあります。
TOEFLはトーフルと呼ばれることが多いです。TOEFLの読み方は以下の記事でも紹介しています。
TOEFLは主にアメリカとカナダを中心とした国で使われるテストで、アメリカのETSという機関が作っている英語能力試験です。実はETSはTOEFLだけではなく、TOEICの試験問題も作っています。ETSに関しても別の記事にまとめています。
IELTSとは
IELTSはイギリスの機関で作られた試験で、ヨーロッパを中心に世界中で使われています。アメリカやカナダでもほとんどの学校でIELTSも使うことができますが、アメリカなどでは一部の学校でTOEFLのみしか認めていない学校が存在しています。
IELTSは「アイエルツ」と読まれます。
TOEFLとIELTSの違いは?
試験内容の違い
出される項目はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つで、TOEFL、IELTSともに同じです。しかし、出される問題の内容のレベルや傾向などは少し違います。
試験の形式が違う
まず、1つ目が受ける手段が違います。TOEFLはパソコンを使って受けます。対して、IELTSは筆記試験です。人によってパソコンを受けるのが好きな人と筆記試験が好きな人が分かれるのではないでしょうか。
試験の時間もIELTSは3時間なのですが、TOEFLは4時間半でかなり長丁場の試験になります。
TOEFLはついた順番に応じて代わる代わる受験するのですが、IELTSは全員が同時に試験を解答します。
スピーキングの形式が違う
TOEFLは機械に向けてスピーキングの問題は解答するのですが、IELTSは面接官がいて、面接官と会話をします。機械の場合は複数の試験官が採点をするので、評価者による偏りが生まれにくいです。面接官と面接をする場合は数人で採点をするので、その採点者による偏りが生まれやすいです。
受験する環境が違う
TOEFLは同じ空間で、複数の人が試験を受験します。全員が同じ試験を同時に受けるわけではなく、来た順番に受けていくので、同時に同じ場所でリーディングとリスニング、スピーキング、ライティングの試験が別々に実施されています。なので、人によっては周りの動きや音が気になるので、集中しにくいです。
対して、IELTSは全員が同時に受けるので、周りに気を散らされることがなく、TOEFLと比べると試験問題に集中して解くことができます。
費用が違う
TOEFLは約27,600円、IELTSは25,380円(1USD > 120円での計算)です。なので、価格は一回あたり2000円前後の差があります。そこまで多く受けない人には2000円で小さな違いだと思いますが、何回も受けるとなると、2000円の費用の差は大きいのではないでしょうか。
TOEFLかIELTSどちらが難しいのか?
一般的にはTOEFLよりもIELTSの方がスコアが取りやすいと言われています。なので、どちらかというとIELTSを受験する人が多いです。とはいえ、確率をあげるという意味ではどちらも受験して、スコアメイキングがしやすい方を中心に勉強することをオススメします。
以下に難しさに影響を与えるいくつかの違いを紹介します。
イギリス英語かアメリカ英語か?
TOEFLはアメリカで作られていてIELTSはイギリスで作られているのもあり、IELTSはイギリス英語の割合が多いです。日本人は受験勉強などではアメリカ英語に触れており、映画などもアメリカのものに触れる機械が多いので、イギリス英語は少し聞き取りづらく感じるかもしれません。
一度両方の音声を聞いてみた上で判断した方が良いのですが、イギリス英語は発音が特殊で、英語もボソボソとしていて聞き取りづらいです。
アカデミックかどうか?
どちらも、勿論アカデミックな内容が中心となるのですが、TOEFLの方が専門用語が多く、内容も専門性が高いことが多いです。なので、そこまで語彙力が高くない人や背景知識がない人はTOEFLよりIELTSの方が簡単に感じるケースが多いです。
背景知識については以下の記事で書いているので自分のレベルを確かめてみてください。
パソコンでの受験か筆記試験か?
英語力とは関係ないのですが、パソコンなのか筆記試験なのかはその正確性や解答スピードに影響を及ぼします。たとえば、日頃からパソコンを使っていて、打つのが早く慣れている人ならパソコンで受験するTOEFLの方が受けやすいです。反対にIELTSは紙での試験なので紙や文字を書くことに慣れている人が解きやすいです。
そこまで大きくない違いに思われるかもしれませんが、どちらも試験時間が長く、特にライティングなどはパソコンのタイピングのスピードがかなり大きく解答するスピードに影響を与えます。
スコアの切り上げがあるのかどうか
これが、一番IELTSの方が簡単だとされている要因として大きいです。IELTSはスコアが0.5単位で切り上げなので、多少足りなかったとしても切り上げられて上のスコアになります。
留学の場合は選考を受けるために一定のスコアが必要なので、ここで切り上げられるのかそうかで、そのラインを越えられるかが変わってきます。
スコアの違い
別の記事で2つの試験のスコアの換算表を紹介しています。
最後に
いかがでしたか?留学を受ける上でスタートラインにたつ、選考に合格する上で大切なTOEFLとIELTSです。違いをしっかりと理解して自分にあった試験を選んで、正しく対策することでハイスコアを目指してください。