はじめに
英語力を証明する代表的な試験として、TOEFL iBTとIELTSがありますが、「どちらの試験を受ければいいのかわからない」「試験の違いがよくわからない」という声をよく耳にします。
確かに、どちらも英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)を測定する試験ですが、試験形式や目的、評価基準などには大きな違いがあります。
この記事では、TOEFL iBTとIELTSの特徴を詳しく比較し、それぞれの試験の難易度や活用法、対策法の違いなどを解説します。受験を迷っている人はもちろん、すでに受験経験がある人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
TOEFL iBTとIELTSの基本情報を比較!
まずは、TOEFL iBTとIELTSの基本情報を表で比較してみましょう。
TOEFL iBT | IELTS | |
---|---|---|
主催団体 | ETS | ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構 |
試験形式 | インターネット上で受験 | ペーパーベース または コンピューターベース |
試験時間 | 約3時間 | リスニング・リーディング・ライティング:2時間45分 スピーキング:11〜14分 |
受験料 | 235米ドル(約25,000円) | 25,380円 |
スコア | 0〜120点(各セクション0〜30点) | 0〜9.0(0.5刻み) |
スコアの有効期限 | 2年間 | 2年間 |
試験日 | 週末を中心に50日以上(年間) | 月3回程度(都市によって異なる) |
結果発表 | 試験日から約10日後 | 13日後 |
表を見ていただくとわかる通り、TOEFL iBTとIELTSには試験形式や評価方法、受験料などに違いがあります。以下、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
TOEFL iBTの特徴と活用法
TOEFL iBTは、主にアメリカの大学や大学院への留学を目指す人が受験する試験です。アメリカの大学の90%以上がTOEFLスコアを語学要件として採用しているため、アメリカ留学を考えている人にとっては必須の試験と言えるでしょう。
TOEFLは、大学での授業についていく英語力があるかどうかを測定することに主眼が置かれています。そのため、試験で使われる英語は学術的で専門的な内容が多く、講義を聞いて内容を理解したり、文献を読んで要約したりする力が問われます。
以下に、TOEFL iBTの特徴をまとめました。
- リスニング・リーディングで学術的な話題が多い
- 統合型問題あり(リスニングとリーディングの内容をまとめてライティングやスピーキングする)
- ライティングは20分で300語以上のエッセイを書く
- すべてのセクションがコンピューター上で行われる
- スピーキングは6問中4問が統合型(読んだり聞いたりした内容について話す)
TOEFLの試験は、基本的にアメリカの大学の授業を想定した内容になっているので、留学を考えている人にとっては、実際の大学生活で求められる英語力を養うのに適しているといえます。
TOEFLは、アメリカ留学のためにはマストな試験だけど、学術的な内容が多いから、受験対策は大変そう…。でも、授業について行けるようになるなら、頑張る価値はありそうだね!
TOEFLを活用するメリット
TOEFLのスコアは、以下のようなシーンで活用できます。
- アメリカ、カナダの大学・大学院への留学
- 一部のヨーロッパ、アジアの大学への留学
- 英語圏の企業への就職・転職
- 英語力の証明が必要な各種申請(ビザ、資格取得など)
特に、アメリカやカナダの大学への留学を考えている人にとっては、TOEFLのスコアが必須条件となることがほとんどです。また、英語圏の企業に就職する際にも、TOEFLのスコアを求められるケースが増えています。
ヨーロッパの大学だと、TOEFLかIELTSのどちらかのスコアを求めているところが多いみたい。でも、アメリカ留学ならTOEFL一択だね。就職でもTOEFLのスコアがあると有利になるから、早めに受けておいて損はなさそう!
IELTSの特徴と活用法
一方、IELTSはイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどの英語圏への留学や移住、就労を目的とする人に適した試験です。ヨーロッパの非英語圏でも、IELTSのスコアを語学要件として採用する大学が多くなっています。
IELTSには、「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類がありますが、留学目的で受験する場合は、基本的に「アカデミック・モジュール」を選びます。
IELTSの最大の特徴は、「実践的なコミュニケーション能力」を重視しているという点です。日常的な話題から学術的な内容まで、幅広いトピックが出題され、実際の生活や仕事で使える英語力が問われます。
IELTSの特徴をまとめると、以下のようになります。
- 日常的な話題が中心(時事問題なども出題される)
- リスニング・リーディングは、TOEFLと比べてやや平易
- ライティングは60分で2つのタスク(150語と250語のエッセイを書く)
- スピーキングは対面式(試験官との1対1の面接形式)
- 幅広い英語力が問われる(イギリス英語、オーストラリア英語など)
IELTSは、実生活で使える総合的な英語力を測ることに主眼が置かれているため、留学だけでなく、就労目的で英語圏に渡る人にもおすすめの試験です。
IELTSは留学だけじゃなくて、移住や就労目的でも使えるんだね。日常会話から学術的な内容まで幅広く出題されるから、実践的な英語力が身につきそう。スピーキングが面接形式なのも、リアルな練習になって良さそうだ!
IELTSを活用するメリット
IELTSのスコアは、主に以下のような目的で活用されています。
- イギリス、オーストラリア、カナダなどの大学・大学院への留学
- 英語圏への移住・就労
- 各国の技術系ビザ申請
- 英語を使用する職種への就職・転職
イギリスやオーストラリアへの留学はもちろん、近年では技術系ビザの申請にもIELTSのスコアが必要とされるケースが増えています。また、国際機関やNGOなどの職種では、IELTSのスコアを英語力の指標として採用することが一般的です。
IELTSのスコアがあれば、留学だけじゃなくて技術系ビザの申請にも使えるなんて、知らなかった!国際機関への就職にも有利になるなら、社会人になってからも受験するメリットはありそうだね。
TOEFL iBTとIELTSの難易度を比べてみよう
TOEFL iBTとIELTSはどちらが難しいのか、気になる人も多いですよね。結論から言うと、どちらが難しいかは人によって異なります。それぞれの試験の特性や自分の強み・弱みによって、難易度の感じ方は変わってきます。
ただし、一般的には以下のような傾向があると言われています。
- リスニング・リーディング:TOEFLの方が難しい
- ライティング:IELTSの方が難しい
- スピーキング:TOEFLの方が難しい
TOEFLのリスニングとリーディングは、学術的な内容が多いため、専門的な語彙力と高度なリスニング力が求められます。一方、IELTSは日常的な話題が中心なので、リスニングとリーディングに関してはTOEFLよりもやや平易だと考えられています。
ライティングは、TOEFLが300語以上の1つのエッセイを書くのに対し、IELTSでは150語と250語の2つのエッセイを書く必要があるため、IELTSの方が難易度が高いと感じる人が多いようです。
スピーキングに関しては、TOEFLは読んだり聞いたりした内容について話す「統合型」タスクが中心なのに対し、IELTSは面接官との1対1の会話形式なので、TOEFLの方が難しいと感じる人が多いようです。
TOEFLとIELTSって、セクションごとに難易度が違うんだね。リスニングとリーディングはTOEFL、ライティングはIELTSが難しいイメージ。でもスピーキングに関しては、IELTSの方が直接会話をするから、実践的な力が試されそう!
ただし、これはあくまでも一般的な傾向であって、個人差が大きいのも事実です。自分に合った試験を選ぶためには、両方の試験の過去問に触れてみるのが一番です。難易度を体感してみることで、自分に合った試験が見えてくるはずですよ。
TOEFL iBTとIELTSのスコア換算表
TOEFL iBTとIELTSのスコアを比較する際には、換算表を参考にすると便利です。以下に、よく使われる換算表を掲載しておきますね。
IELTS バンドスコア | TOEFL iBT スコア |
---|---|
9 | 118 – 120 |
8.5 | 115 – 117 |
8 | 110 – 114 |
7.5 | 102 – 109 |
7 | 94 – 101 |
6.5 | 79 – 93 |
6 | 60 – 78 |
5.5 | 46 – 59 |
5 | 35 – 45 |
4.5 | 32 – 34 |
あくまでも目安ではありますが、IELTSのバンドスコア6.5がTOEFL iBTのスコア79〜93に相当するといった具合です。留学先の大学が求める基準スコアを確認する際などに、換算表を活用してみてくださいね。
IELTSのスコアとTOEFLのスコアを比べるのに、換算表は重宝しそう!でも、あくまでも目安だから、大学の基準スコアは必ず確認しないとね。IELTS6.5がTOEFL79〜93に相当するなんて、イメージしやすくて良いね。
まとめ:自分の目的に合う試験を選ぼう
以上、TOEFL iBTとIELTSの違いについて詳しく解説してきました。ここまでのポイントをおさらいしておきましょう。
- TOEFL iBTは主にアメリカ留学、IELTSはイギリス・オーストラリア・カナダ留学や就労・移住に適している
- TOEFLは学術的な内容が多く、IELTSは日常的な話題が中心
- リスニング・リーディングはTOEFLの方が難しく、ライティングはIELTSの方が難しい傾向にある
- どちらの試験が自分に合っているかは、過去問に触れて難易度を体感してみるのが確実
- 換算表を活用すれば、TOEFLとIELTSのスコアを相互に比較することができる
TOEFL iBTとIELTSのどちらを受験するか迷ったら、まずは自分の目的をはっきりさせることが大切です。留学先や就職先が求める基準スコアを確認し、自分の英語力に合った試験を選びましょう。