オーストラリアに住んでいると、日本では聞いたことのない英単語に出会うことがよくあります。その中の一つが「Cheeky」です。今回は、学校の授業では教えてくれない、日常会話でよく使われるスラング「Cheeky」について詳しく説明していきたいと思います。
まず、「Cheeky」の意味を理解するために、ケンブリッジ英英辞典で調べてみましょう。
cheeky
adjective UK
- slightly rude or showing no respect, but often in a funny way
- She’s got such a cheeky grin. (彼女は本当に生意気な笑みを浮かべていた。)
- Don’t be so cheeky! (そんなに図々しくしないで。)
- uk informal humorous used to describe something that you eat, drink, or do, especially when this is done quickly, without planning, or when you should not really do it:
- We just went outside for a cheeky cigarette. (私たちは、ちょっとタバコを吸いに外へ出た。)
「Cheeky」は、「cheek」という名詞の形容詞形で、主にイギリス圏の国で使われます。オーストラリアでもよく使われるスラングの一つです。「cheek」は、ほっぺたを意味する他に、生意気さや厚かましさを表す言葉でもあります。
そして、「Cheeky」は生意気な、図々しい、厚かましいといった意味で使われますが、状況によっては「in a funny way」というニュアンスが加わることがあります。これが「Cheeky」の意味を理解するポイントです。
例えば、「cheeky smile」は単純に「生意気な笑み」という意味ですが、状況によっては「本当にしょうがないわねぇ」というニュアンスが加わった、生意気さや図々しさを表現しているのです。
「Cheeky」に似た意味の単語に「naughty」がありますが、「naughty」には「in a funny way」というニュアンスはなく、単純に「行儀が悪い、いたずら好き、言うことを聞かない」という意味で、子供をしかるときによく使われます。(大人に対しても使えます。)
ここで、「Cheeky」の使い方の例を見てみましょう。
ある日、職場で同僚の女性が洗い物を忘れて休憩に入ってしまったことがありました。それを見た別の年配の女性同僚が、彼女のことを半分笑いながら「She is a cheeky girl.」と言っていました。これは、洗い物を終わらせないで休憩に行くのは生意気な行動だけれど、本当にしょうがないわねぇ~というニュアンスで使われています。
「Cheeky」は、どちらかというと小さい子供に対して使うことが多く、イタズラっぽく愛嬌があって、状況が深刻でない場合によく使われます。例えば、店で万引きをした少年に対して「He is a cheeky boy.」とは言わないでしょう。むしろ、状況によっては大胆な、勇気のあるといった好意的な意味で使われることもあります。
オーストラリアやニュージーランドでは、「Cheeky」を性的に気のあるそぶりの(flirtyと同じ意味)という意味でも使うことがあります。
また、「Cheeky」はお店の名前にも使われています。オーストラリアでよく見かける「Cheeky Monkey」というフレーズは、生意気というよりもかわいい、可愛げのあるヤツという意味で使われています。お店の名前で使われるくらいですから、ネガティブな意味合いはありません。
イギリスでは、南アフリカ発のメキシカンチキンのファストフード店「Nando’s」を親しみを込めて「Cheeky Nando’s」と呼ぶそうですが、この場合の「Cheeky」には特に意味はないようです。
「Cheeky」の使い方をまとめると、以下のようになります。
- 生意気な、図々しい、厚かましいという意味で使われるが、状況によっては「in a funny way」というニュアンスが加わることがある。
- 主に小さい子供に対して、イタズラっぽく愛嬌があって、状況が深刻でない場合に使われる。
- 状況によっては、大胆な、勇気のあるといった好意的な意味で使われることもある。
- オーストラリアやニュージーランドでは、性的に気のあるそぶりの(flirtyと同じ意味)という意味でも使われる。
- お店の名前などにも使われ、その場合はネガティブな意味合いはない。
「Cheeky」は、日本語に直訳するのが難しい単語ですが、状況や文脈によって意味が変化するところが面白いスラングです。オーストラリアに滞在中は、「Cheeky」が使われる様々な場面に注目してみてください。きっと、英語の表現の奥深さを感じられるはずです。
また、「Cheeky」を使って自分の気持ちを表現してみるのもおすすめです。例えば、友達と一緒にちょっと遅くまで飲みに行くときに「Let’s go for a cheeky drink!」と言ってみたり、子供がイタズラをしたときに「You are such a cheeky monkey!」と言ってみたりするのも楽しいでしょう。
ただし、「Cheeky」はあくまでもスラングなので、フォーマルな場面や目上の人に対して使うのは避けたほうが無難です。また、相手との関係性や状況を考えて、適切に使い分けることが大切です。
「Cheeky」を理解し、適切に使いこなせるようになれば、オーストラリアでの日常会話がより楽しくなるはずです。ぜひ、「Cheeky」を使ってみてください!