ビジネスシーンにおいて、相手の意見や提案に同意する際、日本語では「その通りです」という表現がよく使われます。しかし、英語で同じニュアンスを伝えるためには、状況や文脈に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。本記事では、ビジネス英語で「その通りです」を表現する様々な方法と、それぞれの使い分けについて詳しく解説します。
「その通りです」の基本的な英語表現
まず、「その通りです」を英語で表現する基本的なフレーズを見ていきましょう。
- That’s right.(その通りです。)
- もっともシンプルで汎用性の高い表現です。
- 例:”The report is due next Friday.” “That’s right. I’ll make sure to submit it on time.”(「レポートは来週の金曜日が締め切りだね。」「その通りです。期限までに必ず提出します。」)
- You’re right.(あなたの言う通りです。)
- 相手の意見に同意する際に使える表現です。
- 例:”I think we should prioritize this project.” “You’re right. It’s our top priority at the moment.”(「このプロジェクトを優先するべきだと思います。」「あなたの言う通りです。現時点での最優先事項ですね。」)
- I agree.(同意します。)
- シンプルに同意を示す表現です。
- 例:”We need to improve our communication with clients.” “I agree. Let’s discuss some strategies to enhance our client relations.”(「クライアントとのコミュニケーションを改善する必要があります。」「同意します。クライアント関係を強化するための戦略を話し合いましょう。」)
これらの表現は、ビジネスシーンで広く使われており、基本的な同意を示す際に活用できます。
ビジネスメールでの「その通りです」の表現
ビジネスメールで「その通りです」を表現する場合、以下のような言い回しが適しています。
- I completely agree with your point.(ご指摘に全面的に同意します。)
- 相手の意見に完全に同意することを示す表現です。
- 例:Thank you for your insightful comments on the marketing strategy. I completely agree with your point about targeting a younger demographic.(マーケティング戦略に関する示唆に富んだコメントをありがとうございます。若年層をターゲットにするというご指摘に全面的に同意します。)
- Your observation is spot-on.(あなたの観察は的確ですね。)
- 相手の意見が正確で適切であることを認める表現です。
- 例:Your observation about the inefficiencies in our current process is spot-on. Let’s work together to streamline our workflow.(現在のプロセスの非効率性に関するあなたの観察は的確ですね。一緒に業務の合理化に取り組みましょう。)
- I couldn’t agree more.(まったくその通りです。)
- 相手の意見に強く同意することを示す表現です。
- 例:I couldn’t agree more with your suggestion to invest in employee training. It will definitely boost our team’s productivity and morale.(社員研修に投資するというご提案に、まったくその通りだと思います。チームの生産性と士気を確実に高めることができるでしょう。)
ビジネスメールでは、より丁寧かつ具体的に同意を示すことで、相手の意見を尊重し、建設的な議論を促すことができます。
「はい、その通りです」の英語表現
「はい、その通りです」と言って、相手の発言を肯定する場合、以下のような表現が使えます。
- Yes, that’s correct.(はい、その通りです。)
- 相手の発言が正しいことを確認する表現です。
- 例:”The meeting is scheduled for 2 PM, right?” “Yes, that’s correct. It’s in the main conference room.”(「会議は午後2時からですよね?」「はい、その通りです。メインの会議室で行われます。」)
- Yes, absolutely.(はい、もちろんです。)
- 相手の発言に強く同意することを示す表現です。
- 例:”We need to address this issue as soon as possible.” “Yes, absolutely. Let’s set up a task force to tackle it right away.”(「この問題にできるだけ早く対処する必要があります。」「はい、もちろんです。早速、対策チームを立ち上げましょう。」)
- Yes, indeed.(はい、その通りですね。)
- 相手の発言を肯定し、同意を示す表現です。
- 例:”This project has the potential to revolutionize our industry.” “Yes, indeed. It’s a game-changer for sure.”(「このプロジェクトには、業界に革命を起こす可能性があります。」「はい、その通りですね。間違いなくゲームチェンジャーになるでしょう。」)
これらの表現を使って、相手の発言に同意しつつ、話を前に進めることができます。
「まさにその通りです」の英語表現
「まさにその通りです」と強調して同意する場合、以下のような表現が適しています。
- Exactly!(まさにその通り!)
- 相手の意見に完全に同意することを示す表現です。
- 例:”We need to think outside the box to solve this problem.” “Exactly! Let’s brainstorm some innovative solutions.”(「この問題を解決するには、枠にとらわれない発想が必要ですね。」「まさにその通り!革新的な解決策をブレインストーミングしましょう。」)
- Absolutely!(もちろんです!)
- 相手の意見に強く賛成することを示す表現です。
- 例:”Investing in research and development is crucial for our long-term success.” “Absolutely! It’s the key to staying ahead of the competition.”(「研究開発への投資は、長期的な成功にとって不可欠です。」「もちろんです!競合他社に先行し続けるための鍵ですね。」)
- That’s spot-on!(まさにその通りですね!)
- 相手の意見が的確であることを認める表現です。
- 例:”To improve our customer satisfaction, we need to focus on personalized service.” “That’s spot-on! Tailoring our approach to each customer’s needs will make a huge difference.”(「顧客満足度を上げるには、パーソナライズされたサービスに注力する必要があります。」「まさにその通りですね!一人ひとりの顧客のニーズに合わせたアプローチは、大きな違いを生むでしょう。」)
これらの表現を使うことで、相手の意見に強く同意し、積極的に議論に参加する姿勢を示すことができます。
スラングでの「その通り」の表現
カジュアルな場面や、親しい間柄での会話では、スラングを使って「その通り」を表現することもできます。
- Totally!(完全にその通り!)
- 相手の意見に完全に同意することを示す表現です。
- 例:”This new software is going to make our lives so much easier.” “Totally! It’s a real time-saver.”(「この新しいソフトウェアのおかげで、私たちの生活がとても楽になるわ。」「完全にその通り!本当に時間の節約になるよね。」)
- You bet!(間違いなく!)
- 相手の意見に強く賛成することを示す表現です。
- 例:”We should celebrate our team’s success with a party.” “You bet! Let’s plan something fun.”(「チームの成功を祝うパーティーを開くべきだよ。」「間違いなく!楽しい企画を立てようよ。」)
- Tell me about it!(もう、その通りだよね!)
- 相手の意見に共感し、同意することを示す表現です。
- 例:”This project has been a real challenge.” “Tell me about it! But we’re almost at the finish line.”(「このプロジェクトは本当に大変だったよ。」「もう、その通りだよね!でももうすぐゴールだから。」)
スラングは、フォーマルなビジネスシーンでは避けるべきですが、カジュアルな場面では使用可能です。ただし、相手との関係性や状況を見極めて、適切に使い分けることが大切です。
まとめ
ビジネス英語で「その通りです」を表現するには、シンプルな同意から強調表現まで、様々なバリエーションがあります。状況や文脈に応じて適切な表現を選び、相手の意見を尊重しながら、建設的な議論を進めることが重要です。
また、ビジネスメールでの表現は、より丁寧かつ具体的であることが求められます。一方、カジュアルな場面ではスラングを使うこともできますが、相手との関係性に配慮しながら、適切に使い分ける必要があります。
本記事で紹介した表現を参考に、ビジネスシーンで「その通りです」を英語で的確に伝えられるようになりましょう。日頃から様々な表現に触れ、実践で活用していくことで、ビジネス英語でのコミュニケーション能力を高めていくことができるでしょう。
【コラム】「その通り」を表現する際の注意点
「その通りです」と同意を示す際、以下の点に注意しましょう。
- 相手の意見を十分に理解する
- 相手の意見に安易に同意するのではなく、内容を十分に理解した上で同意することが大切です。
- 例:”I agree with your point about expanding our market share, but can you elaborate on the specific strategies you have in mind?”(市場シェア拡大に関するご指摘に同意しますが、具体的にどのような戦略をお考えなのか、もう少し詳しく説明していただけますか?)
- 同意した上で、建設的な意見を追加する
- 相手の意見に同意しつつ、さらなる改善点や提案を追加することで、議論を発展させることができます。
- 例:”You’re right about the need for a more efficient workflow. In addition, I think we should consider automating some of the repetitive tasks.”(業務フローの効率化の必要性についてはその通りですね。さらに、反復作業の一部を自動化することも検討するべきだと思います。)
- 同意できない場合は、丁寧に意見を述べる
- 相手の意見に同意できない場合は、否定的な言葉を避け、建設的な意見を丁寧に述べることが重要です。
- 例:”I understand your perspective, but I have a slightly different view. Perhaps we could explore some alternative solutions that address both of our concerns.”(あなたの視点はよくわかりますが、私はやや異なる見解を持っています。私たち両方の懸念に対処できる代替案を探ってみてはどうでしょうか。)
これらの点に注意しながら、「その通りです」を表現することで、より生産的なコミュニケーションを図ることができるでしょう。
【基本情報】
表現 | 用途 |
---|---|
That’s right. | シンプルで汎用性の高い同意表現 |
You’re right. | 相手の意見に同意する際の表現 |
I agree. | シンプルに同意を示す表現 |
I completely agree with your point. | ビジネスメールで相手の意見に完全に同意する表現 |
Your observation is spot-on. | ビジネスメールで相手の意見が正確で適切であることを認める表現 |
I couldn’t agree more. | ビジネスメールで相手の意見に強く同意する表現 |
Yes, that’s correct. | 相手の発言が正しいことを確認する表現 |
Yes, absolutely. | 相手の発言に強く同意することを示す表現 |
Yes, indeed. | 相手の発言を肯定し、同意を示す表現 |
Exactly! | 相手の意見に完全に同意することを示す強調表現 |
Absolutely! | 相手の意見に強く賛成することを示す強調表現 |
That’s spot-on! | 相手の意見が的確であることを認める強調表現 |
Totally! | カジュアルな場面で相手の意見に完全に同意する表現(スラング) |
You bet! | カジュアルな場面で相手の意見に強く賛成する表現(スラング) |
Tell me about it! | カジュアルな場面で相手の意見に共感し、同意する表現(スラング) |
以上の情報を参考に、ビジネス英語で「その通りです」を適切に表現し、円滑なコミュニケーションを図っていきましょう。状況や文脈に合わせた表現の選択と、相手の意見を尊重しつつ建設的な議論を進める姿勢が、ビジネスでの成功につながります。日々の実践を通じて、英語でのコミュニケーション能力を磨いていきましょう。