PROGOS(プロゴス)の受験結果でA2 Highというレベルを取得された方は多いのではないでしょうか。実は、A2 Highは日本人のスピーキング力で最も多い結果なのです。この記事では、PROGOS A2 Highの意味、評価基準、そしてより上のレベルを目指すための具体的な方法まで詳しく解説します。

PROGOS A2 Highとは?基本的な定義と意味
PROGOS A2 Highは、AI英語スピーキングテスト「PROGOS」で評価される9段階のレベルのうちの一つです。国際的な言語能力指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいており、基礎段階の言語使用者(初級)の上位レベルに位置付けられています。
A2 Highレベルの能力定義(Can-Do記述)
PROGOS A2 Highレベルでは、以下のことができるとされています:
一連の簡単な単語、フレーズ、文章を使い、日常生活に関連した話題について話すことができます。幅広く基本的な単語や表現を使い、日常でのありふれた状況においてやりとりすることができます。

CEFRレベル全体における位置づけ
PROGOSの評価は以下の9段階に分かれています:
レベル | 分類 | 説明 |
---|---|---|
Pre-A1 | 基礎段階 | 非常に基本的なフレーズのみ使用可能 |
A1 | 基礎段階 | 暗記した表現で自分のことを伝える |
A1 High | 基礎段階 | 限られた身近な話題について話せる |
A2 | 基礎段階 | 身近な話題について基本的な意見を伝える |
A2 High | 基礎段階 | 日常生活関連の話題について話せる |
B1 | 自立した使用者 | 身近な話題について詳細に伝える |
B1 High | 自立した使用者 | 社交的な会話を続けることができる |
B2 | 自立した使用者 | 興味のある話題について詳細なプレゼンが可能 |
B2 High and above | 熟達した使用者 | 幅広い話題で詳細なプレゼンが可能 |
日本人のスピーキング力実態:A2 Highが最多レベル
株式会社プロゴスが実施した42万人の受験データ分析によると、驚くべき事実が明らかになりました。
日本人受験者の分布データ
- 最多レベル:A2 High(30.6%)
- B1 High:22.7%
- B1:20.5%
- A2:13.4%
- B2以上(グローバルビジネスレベル):わずか6%
この結果から、日本人ビジネスパーソンの約3人に1人がA2 Highレベルであることがわかります。

A2 Highレベルの実際的な意味
A2 Highレベルの方は、以下のような場面で英語を使うことができます:
◆ できること
- 自己紹介や家族について話す
- 買い物や食事の注文
- 簡単な道案内を聞く・説明する
- 趣味や日常の活動について基本的な説明
- 簡単な過去の出来事を話す
◆ 難しいこと
- 複雑なビジネス議論
- 詳細な意見や論理的な説明
- 抽象的な概念についての議論
- 流暢な即興での会話
PROGOS A2 Highの6つの評価指標詳細解説
PROGOSでは、総合評価の他に6つの指標別評価が提供されます。A2 Highレベルの方の典型的な評価パターンを解説します。
1. Range(表現の幅)
- A2 Highの特徴:基本的な単語や表現を使用
- 改善ポイント:語彙の幅を広げ、より多様な表現を身につける
2. Accuracy(正確さ)
- A2 Highの特徴:基本文法は理解しているが、複雑な構文でミスが発生
- 改善ポイント:文法の正確性を高める練習
3. Fluency(流暢さ)
- A2 Highの特徴:簡単な内容は流暢だが、複雑になると詰まる
- 改善ポイント:スピーキングの練習量を増やす
4. Interaction(やりとり)
- A2 Highの特徴:基本的な質疑応答は可能
- 改善ポイント:相手との自然な会話のキャッチボール
5. Coherence(一貫性)
- A2 Highの特徴:簡単な論理構成は可能
- 改善ポイント:結論→理由→具体例の構成力
6. Phonology(音韻)
- A2 Highの特徴:基本的な発音はクリア
- 改善ポイント:より自然な発音・イントネーション

A2 HighからB1レベルへのステップアップ戦略
学習時間の目安
A2 HighからB1レベルに到達するには、一般的に200-300時間の学習時間が必要とされています。
具体的な学習方法
1. インプット学習の強化
語彙力向上
- ビジネス英単語3,000語の習得
- コロケーション(語の組み合わせ)の学習
- 英語ニュースの読解
文法力強化
- 中級文法(関係代名詞、仮定法など)の完全理解
- 文章構成力の向上
- ライティング練習との組み合わせ
2. アウトプット練習の拡充
スピーキング練習
- オンライン英会話での定期練習
- シャドーイング練習
- 一人ディスカッション(トピックについて1分間話す)
実践的な練習方法
- ニュース記事の要約練習
- 自分の意見を論理的に説明する練習
- ビジネスシーン別のロールプレイ
PROGOSスコアアップのコツ
Part別対策
Part 1(インタビュー)
- 20秒間をフルに使って話す
- 結論→理由→具体例の順番で構成
- 沈黙を避け、何かしら話し続ける
Part 2(音読)
- 文章の意味を理解して読む
- 適切なポーズと区切り
- 発音の正確性を重視
Part 3(プレゼンテーション)
- 構成を意識(導入→本論→結論)
- 具体例やエピソードを含める
- 時間内に話し終える
Part 4(グラフ説明)
- データの読み取り正確性
- 傾向や変化の説明
- 数値の具体的な言及
Part 5(ロールプレイ)
- 相手との自然なやりとり
- 適切な質問返し
- ビジネスシーンに適した表現
A2 Highレベルの転職・就職活動での活用方法
履歴書・職務経歴書への記載
記載例
英語スピーキング能力:PROGOS A2 High(CEFR準拠)取得
- 日常的なビジネスコミュニケーションが可能
- 基本的な英語での電話対応・メール対応経験あり
アピールポイント
A2 Highレベルでアピールできること
- 基礎的な英語コミュニケーション能力
- 継続的な英語学習への取り組み
- 客観的な評価指標での能力証明
- 成長意欲とスキルアップへの姿勢
業界別の活用法
IT・Web業界
- 英語のドキュメント読解能力
- 海外のエンジニアとの基本的なコミュニケーション
サービス業
- 外国人顧客への基本的な接客対応
- 多様性のある職場での協調性
製造業
- 海外工場との基本的な連絡業務
- 技術文書の基本的な理解
企業でのPROGOS導入事例とA2 Highの位置づけ
導入企業数と活用実態
現在、1,000以上の企業・教育機関がPROGOSを導入しており、以下の用途で活用されています:
- 人材採用時の英語力評価
- 社員研修の効果測定
- 海外赴任前の能力診断
- 昇進・昇格の要件設定
企業が求める英語レベル
ポジション別の目安
- 一般社員:A2 High~B1(基本的なコミュニケーション)
- 中間管理職:B1 High~B2(議論・交渉が可能)
- 上級管理職:B2以上(戦略的な議論が可能)
他の英語テストとの比較・対照
TOEIC L&Rとのレベル比較
研究データによると、TOEIC L&Rの高スコア保持者でも、スピーキング力は大きく劣ることが判明しています:
- TOEIC L&R B1レベル相当者のうち、同等のスピーキング力を持つ:40%のみ
- TOEIC L&R B2レベル相当者のうち、同等のスピーキング力を持つ:10%強のみ
他の検定試験との対照表
PROGOS | 英検 | TOEIC L&R | TOEIC S&W |
---|---|---|---|
A2 High | 準2級〜2級 | 550-680点 | S:120-150点 |
B1 | 2級 | 680-780点 | S:150-180点 |
B1 High | 2級〜準1級 | 780-860点 | S:180-200点 |
B2 | 準1級 | 860-950点 | S:200点満点 |
PROGOS A2 High取得者の体験談・成功事例
成功事例1:営業職からマーケティング職への転職
「PROGOS A2 Highを取得後、英語を使う部署への転職に成功しました。面接では、客観的な指標があることで、英語力を明確にアピールできました。現在はB1レベルを目指して学習を継続しています。」
成功事例2:海外プロジェクト参加への道筋
「A2 Highという結果を受けて、自分の現在地を把握できました。会社の海外プロジェクトに参加するために、具体的な学習計画を立てることができ、半年後にB1レベルに到達しました。」
成功事例3:英語学習のモチベーション向上
「定期的にPROGOSを受験することで、学習の進捗を可視化できています。A2 HighからB1、そしてB1 Highへと着実にレベルアップし、英語学習へのモチベーションが維持できています。」
よくある質問(FAQ)
Q1. A2 Highは履歴書に書いても良いレベルですか?
A. はい、客観的な英語力の証明として記載できます。特に英語使用頻度の低い職種では、基礎的なコミュニケーション能力の証明として有効です。
Q2. A2 HighからB1になるにはどのくらい期間が必要ですか?
A. 個人差がありますが、継続的な学習で3-6ヶ月程度が目安です。毎日1時間の学習で約200-300時間の積み重ねが効果的です。
Q3. PROGOS A2 Highは海外で通用しますか?
A. CEFR準拠のため国際的に認知されています。ただし、ビジネスレベルとしてはB2以上が求められることが多いです。
Q4. 独学でもB1レベルに到達できますか?
A. 可能です。ただし、スピーキング力向上にはアウトプット練習が不可欠なため、オンライン英会話などの活用をおすすめします。
まとめ:PROGOS A2 Highを活かして次のステップへ
PROGOS A2 Highは、日本人ビジネスパーソンの標準的なスピーキングレベルです。このレベルを出発点として、以下のアクションを推奨します:
重要なポイント
- 現在地の把握:A2 Highは基礎的コミュニケーション能力の証明
- 明確な目標設定:B1レベル到達で実用的なビジネス英語力
- 継続的な学習:定期的なPROGOS受験で進捗確認
- 実践的な活用:転職・昇進の際のアピール材料として活用
次のアクション
- 3ヶ月後:集中学習でA2 High上位を目指す
- 6ヶ月後:B1レベル到達を目標に設定
- 1年後:B1 Highレベルでビジネス実践力を身につける
PROGOS A2 Highという結果は、あなたの英語学習の「スタートライン」です。客観的な現在地を把握し、適切な学習戦略で着実にレベルアップを図っていきましょう。
参考資料・出典