「〜しがち」を表す英語表現の違い
英語を豊かにする表現として「〜しがち」を表す「tend to」「prone to」「opt to」があります。
それぞれ、日本語訳をすると同じ意味になるのですが、それぞれどのように違い、どう使い分けていけば良いのでしょうか?
実はそれぞれ使われるシーンやニュアンスは異なり、日本人は同じように使っているが、ネイティブはその時々に合わせて3つの表現を使い分けています。
本日は、それぞれの意味と使い分けについて、日本語訳や英訳などの観点で紹介していきます。
tend to
1つ目の表現が「tend to」です。tendは動詞で、後ろに不定詞をつけて「◯◯しがち」という意味を表します。
tendを使う場合はtoの後には動名詞や名詞をつけることは出来ず、必ず不定詞と一緒に使う必要があります。
使われるシーンも幅広く会話など口語で使われることもありますし、文章や論文などの文語でも使われます。
日本語での意味
まずは、日本語の意味から見ていきましょう。
… の傾向にある、しがちである;なりやすい
tend toはネガティブ、ポジティブ両方の表現で使われます。この動詞自体にはポジティブ、ネガティブなニュアンスはなく、話す内容や文脈によってその印象が変わってきます。
なので、表すときに使いやすく、一番使われるケースが多い表現です。
英語での意味
to be likely to behave in a particular way or have a particular characteristic:
英語でみてみても、日本語と同じように「particular: 特定の」という表現があり、その意味自体からは、ネガティブ、ポジティブといったようなイメージは全く読み取れませんね。
way、characterという両方の表現があるように、やり方や特徴など様々な「〜をしがち」という表現をするときに使われます。
be apt to
aptは動詞のtendとは違って形容詞です。なので、使うときにはその前にbe動詞などをつけて英文を作る必要があります。
ニュートラルなtendとは違い、どちらかというとネガティブなイメージがありますが、どちらでも使うことが出来ます。
日本語での意味
とかく…しがちだ, ともすれば…しやすい[し勝ちである], えてして…し勝ちだ
ニュートラルな表現のtend toとは違い、apt toは「えてして〜しがち」というように少しだけネガティブなニュアンスがあります。
英語での意味
to be likely to do something or to often do something:
英語の意味だと、そこまでネガティブなニュアンスは感じられません。
be prone to
2つ目の表現である「be prone to」を次にご紹介します。proneは形容詞なので、動詞のtend to/opt toとは違い、形容詞です。
なので、主語のあとには必ずbe動詞を入れて英文を作る必要があります。
後ろに不定詞が来る必要があったtendとは違い、proneはtoの後に、動詞だけではなく、動名詞や名詞を使うことも出来ます。これは、proneが動詞ではなく形容詞であるためです。
日本語での意味
次にprone toを見ていきましょう。
〈とかく…する〉・がち、やや(と)もすれば…する、とかく…しがちだ、ともすれば…しやすい、えてして…し勝ちだ
日本語だと少しニュアンスがわかりにくいですが、prone toはネガティブな習慣や癖を表すときに使われます。「〜しがち」という表現が、少しネガティブな要素を含んでいますが、日本語の訳をみるだけだとそのニュアンスが中々分かりづらいです。
次に、英語ではどういう意味を表すのかを見てみましょう。
英語での意味
likely to suffer from an illness or show a particular negative characteristic:
英語だと「suffer: 苦しむ」という動詞が使われている。かつ、negativeという内容も書かれていますね。
ここにあるように、prone toは何かしら良くない特徴、習慣、癖があり、無意識にそうしてしまうという内容を表すときに使われます。
使われるシーンとしては何かしらネガティブな癖や習慣について言いたいが、直接表現してしまうと、批判のように聞こえてしまう。なので、少し柔らかく表現するためにprone toを使うことが多いです。
まとめ
いかがでしたか?
- 動詞でポジティブ、ネガティブどちらでも使えるtend to
- 形容詞で比較的どちらにも使えるapt to
- 形容詞でネガティブな表現で使われるprone to
日本語で直訳すると似た意味でも、実際に細かく見ていくと、それぞれのニュアンスや使い方が見えてきますね。
それぞれの意味とニュアンスも理解しながら、自分の伝えたい内容が伝わるようにトレーニングしてみてください。