GMAT MATH概要
MATH出題形式
MATHは2種類の問題が出ます。
- Problem Solving
- Data Sufficiency
Problem Solvingは5択の計算問題です。
問題を解いて回答を選ぶ形式なので、日本の受験数学に近く感覚が掴みやすいです。
GMATで特徴的なのはData Sufficiencyです。
GMATの公式サイトからData Sufficiencyのサンプル問題を抜粋します。
- Question If a real estate agent received a commission of 6 percent of the selling price of a certain house, what was the selling price of the house?
(1) The selling price minus the real estate agent’s commission was $84,600.
(2) The selling price was 250 percent of the original purchase price of $36,000.- (A) Statement (1) ALONE is sufficient, but statement (2) alone is not sufficient.
- (B) Statement (2) ALONE is sufficient, but statement (1) alone is not sufficient.
- (C) BOTH statements TOGETHER are sufficient, but NEITHER statement ALONE is sufficient.
- (D) EACH statement ALONE is sufficient.
- (E) Statements (1) and (2) TOGETHER are NOT sufficient.
https://www.mba.com/global/the-gmat-exam/gmat-exam-format-timing/quantitative.aspx
質問に対して、2つの情報が与えられます。
その情報について、質問に答えられるのに十分かどうか、以下の5択から選びます。
- (A) 1つ目の情報があれば十分だが、2つ目の情報だけでは不十分
- (B) 2つ目の情報があれば十分だが、1つ目の情報だけでは不十分
- (C) 2つの情報がそろえば十分だが、片方だけではどちらも不十分
- (D) どちらの情報も片方だけで十分
- (E) 2つの情報がそろっても不十分
今回の問題では、「ある家の販売料金に対する不動産業者の販売手数料は6%である。不動産業者の売った家はいくらか?」と、問われています。
情報(1)は、販売料金から販売手数料を引くと$84,600
情報(2)は、販売料金は購入価格である$36,000の250%
といっており、どちらも片方だけで十分なので(D) になります。
慣れれば概算で答えられるため簡単になりますが、トリッキーな問題が出やすいので、Data Sufficiencyの引っ掛け問題には要注意です。
GMAT MATHの出題範囲
基本的に高校の数 I までと言われており、大学数学は問われません。
一部統計は出ますが、平均・中央値等の基本コンセプトを理解していれば大体問題ありません。
少し古い記事ですが、海外にはGMATで問われる範囲と頻度を分析している記事があります。 Magoosh GMAT BlogBreakdown of GMAT Quant Concepts by Frequency – Magoosh GMAT Bloghttps://magoosh.com/gmat/2012/breakdown-of-gmat-quant-concepts-by-frequency/Magoosh’s very own Mike McGarry, GMAT/Math Teacher/Tutor/Foosball player extraordinaire, went through 5 different sets of Official GMAT Practice Material and tallied questions based on the subject material they tested to find the most common…
これによると、整数の規則に関する出題(奇数×奇数×偶数は奇数or偶数か。等)が1番頻繁に出題され、割合に関する問題が2番、統計の基礎が3番です。
私の体感でも整数の規則に関する問題が多かったです。
得手不得手があると思うので、こういった情報を参考に濃淡をつけて取り組むと良いでしょう。
MATHの目標点と得点分布
日本人がVerbalで稼ぐのは難しいため、49点以上は欲しいです。
また、前述の通り、得点がインフレしているため、49点以上あってもPercentileでは上位30%程度にしかなりません。
参考までに、GMATが公式に計測した2015~2017のMathとVerbalの平均、及び、スコアとPercentileの関係表を貼付します。
MathよりVerbalの方が難しいことが顕著に出ています。
MATH対策の進め方
習得すべき知識の概観
大きく分けると4階層の知識が必要になるイメージです。

まず、ベースとなる一般的な数学の知識は欠かせません。
そして、日本人の場合は数学の英単語を覚えていきます。
Hypotenuseってご存知ですか?「斜辺」です。普通に英語勉強してても習いませんよね・・・。
続いて、時間内に問題を解くために、ショートカットに近いGMATに特化した公式を頭に入れます。
ここまでくれば、あとは独特の引っ掛け問題に対応するだけです。
基礎の知識が頭に入れば問題演習の繰り返しで目標点に到達できると思います。
初めの一歩
まずは、AGOSの書籍がお勧めです。これはVerbalの概観を掴む際も同様です。
これでイメージを掴んだ後に、Math Academyが出版するGMAT数学の本に取り組むのをお勧めします。
www.bekkoame.ne.jpインターナショナルマスアカデミーhttp://www.bekkoame.ne.jp/~mathebit/
私が受験していた頃は2冊だったんですが、1冊に刷新したようですね。
数学の英単語、GMATに特化した公式をある程度網羅しています。
初めの一歩が難しかった場合
一般的な数学の知識が足りていないかもしれません。
日本語の書籍で基礎に立ち返るのが近道になる場合があります。
中学数学であれば、以下がお勧めです。
GMATとは無関係に、昔復習で使いました。解説が丁寧で凄くわかりやすいです。
高校数学であれば、以下の二冊が人気です。
あまり使用しませんでしたが、英語の解説で理解に窮した時のために両方購入しました。
「語りかける」は人気でしたが、解説から語りかけられすぎる感じがあり苦手でした・・・。笑
個人的にはもう一度高校数学がお勧めです。
初めの一歩が簡単だった場合
一度公式Prepを受けてみてください。
The Official GMAT Web SiteGMAT Official Starter Kit + Practice Exams 1 & 2 (Free)https://www.mba.com/global/store/store-catalog/gmat-preparation/gmat-official-starter-kit-practice-exams-1-and-2-free.aspx
ただし、点数だけ確認して、問題の答え合わせはしないよう気を付けてください。
公式Prepは実力を測る唯一の指標です。
一つのセットに多数の問題が入っているので、ほとんど問題を覚えてしまうまでは、何度か使用することをお勧めします。
また、本番は計算用紙とペンが独特なので、以下を使用して本番に近い環境で受けることをお勧めします。
結果が48~50点程度であれば、GMAT独自の引っ掛けや苦手な範囲など、各論をつぶしていけば良いので、公式問題集を丁寧に解くことで50以上に安定すると思います。
後は後述するGMAT Focusもお勧めです。
47点以下であれば、公式や英単語がマスターできていない可能性が高いので、Math Academyに戻ることをお勧めします。
もう一周したら、公式問題集を丁寧に解いて反射的に問題を解けるよう体に覚えさせましょう。
51点が取れたのであれば、MATHは対策不要といえるでしょう。
実力をキープする程度に問題集を解いてVerbalに集中しましょう。
MATHの問題演習教材
公式問題集
まずはなんと言っても公式問題集です。
大別すると4種類あります。
GMAT Officiai Guide
GMAT Official Quantitative Review
GMAT Focus
本番に近い形式でMathの模擬試験が受けられます。
The Official GMAT Web SiteGMAT Focus® Online Quantitative Diagnostic Toolhttps://www.mba.com/global/store/store-catalog/gmat-preparation/gmat-focus-online-quantitative-diagnostic-tool.aspx
GMAT Official Practice Questions(≒GMAT Question Pack)
公式問題集は教材によって難易度が違うといわれています。
調べた限りでは以下の通りです。
GMAT Official Quantitative Review < GMAT Official Guide < GMAT Focus < GMAT Question Pack ≒ 本番
そのため、これが一番本番に近いので、腕試しとしてPrepの次に大切に解くことを推奨します。
The Official GMAT Web SiteGMAT Official Practice Questionshttps://www.mba.com/global/store/store-catalog/gmat-preparation/gmat-official-practice-questions.aspx
尚、公式問題集は解説が分かりづらいので、ある程度英語に慣れている方は、GMAT Quantumの利用がお勧めです。
問題ごとの解法を動画で解説しており、非常にわかりやすいです。
gmatquantum.comHome GMATQuantum Online Course – GMAT Quantumhttp://gmatquantum.com
Manhattan
Manhattanも有名です。
ただし、全般的に難易度が高すぎるので、簡単な問題を使用するか、高地トレーニングのように使用することになります。
尚、Manhattanが出しているアプリは移動時間を有効活用できるので非常にお勧めです。
問題の範囲が整理されている上に、誤答した問題にマークを付けられるので、苦手な範囲を絞り込めます。

Manhattan Prep GMAT教育無料iOSユニバーサルApp Store

Advancedを始めとした一部の問題は難易度が高すぎるため、Manhattanに終始するのは効率が良いとは思えませんが、範囲が綺麗に整理されているので、苦手な範囲が明確な場合にお勧めです。
GMAT Club
GMAT Clubも良く使われます。
GMAT Clubは海外のGMAT、及び、MBA受験全般の情報サイトです。
海外のGMAT愛好家が多数のノウハウと問題を蓄積しています。
GMAT Toolkitというアプリを使えばスマホから問題演習できます。

GMAT ToolKit 2教育, ビジネス無料iOSユニバーサルApp Store

GMAT Clubのウェブサイトはこちら。 GMAT Club ForumGMAT Club Forumhttps://gmatclub.com/forum/quantitative-7/?fl=menuQuantitative : MBA Forum, Business School Application, GMAT Tests, Business School Essays, Interviews, GMAT Forum and Tests
ただし、あくまで有志が作成しているため、玉石混合といった感じなので、取捨選択して使用してください。
最後に紹介した問題集の位置づけを整理しておきます。
あくまで2018年時点の体感値になりますが、参考になれば幸いです。
Mathについては以上です。
皆様の良い結果を祈念しています。