英検のライティング試験は、多くの受験者にとって最も難関とされる科目の一つです。限られた時間内で英語で文章を書くことが求められ、厳しい採点基準が適用されるためです。
しかし、中には「英検ライティングの採点は甘いのではないか」という声も聞かれます。実際のところ、英検ライティングの採点方法とはどのようなものなのでしょうか。また、高得点を取るためにはどのような対策が必要なのでしょうか。
本記事では、英検ライティング試験の採点システムについて詳しく解説するとともに、高得点を狙うためのコツをお伝えします。
英検ライティング試験の概要
英検ライティング試験は、級によって出題形式や試験時間、字数制限などが異なります。以下は、各級の試験概要をまとめたものです。
級 | 出題形式 | 試験時間 | 字数制限 |
---|---|---|---|
5級 | 語順整序問題 | 15分 | – |
4級 | 自由英作文 | 30分 | 30〜40語 |
3級 | 自由英作文 | 30分 | 50〜60語 |
準2級 | 自由英作文 | 40分 | 100〜120語 |
2級 | 自由英作文 | 50分 | 140〜160語 |
準1級 | 自由英作文 / 資料に基づく英作文 | 45分 | 200〜240語 |
1級 | 自由英作文 / 資料に基づく英作文 | 60分 | 280〜320語 |
自由英作文では、与えられたトピックについて自分の意見や経験を述べる形式が一般的です。一方、資料に基づく英作文では、グラフや表などの情報を読み取り、それについて分析や考察を書く必要があります。
英検ライティング試験の採点基準
英検ライティング試験の採点は、級によって異なる配点と評価項目に基づいて行われます。ここでは、代表的な級の採点基準を見ていきましょう。
2級の採点基準
2級ライティング試験の配点は25点満点で、以下の3つの評価項目に基づいて採点されます。
- 課題達成度(10点)
- 課題で求められている内容を十分に扱っているか
- 字数制限を守っているか
- 構成と展開(10点)
- 文章全体の構成が適切で、論理的に展開されているか
- パラグラフ分けが適切で、つながりがスムーズか
- 言語使用(5点)
- 文法や語彙の誤りが少なく、適切に使用されているか
- スペリングやパンクチュエーションに誤りがないか
準1級の採点基準
準1級ライティング試験の配点は28点満点で、以下の3つの評価項目に基づいて採点されます。
- 課題遂行(12点)
- 課題の指示に正確に従っているか
- 内容が豊かで説得力があるか
- 一貫した主張や議論が展開されているか
- 読み手を意識した適切な語り口になっているか
- 構成(8点)
- 全体的な構成が適切で効果的か
- パラグラフ間の繋がりが自然で論理的か
- 文と文の繋がりが滑らかか
- 適切な接続語や指示語が使われているか
- 語彙・文法(8点)
- 語彙が豊富で適切か
- 語彙の誤りが少ないか
- 文法の誤りが少ないか
- 英文のスタイルが適切か
1級の採点基準
1級ライティング試験の配点は40点満点で、以下の3つの評価項目に基づいて採点されます。
- 課題遂行(20点)
- 課題の指示に正確に従っているか
- 内容が豊かで説得力があるか
- 一貫した主張や議論が展開されているか
- 読み手を意識した適切な語り口になっているか
- 文章構成(10点)
- 全体的な構成が適切で効果的か
- パラグラフ間の繋がりが自然で論理的か
- 文と文の繋がりが滑らかか
- 適切な接続語や指示語が使われているか
- 語彙・文法(10点)
- 語彙が豊富で適切か
- 語彙の誤りが少ないか
- 文法の誤りが少ないか
- 英文のスタイルが適切か
英検ライティングの減点対象
英検ライティングでは、以下のようなミスが減点の対象となります。
- 語彙・文法の誤り
- 内容の誤り、論点のずれ
- 字数制限の無視
- 設問で指定された形式の不遵守
- 読みにくい字、乱雑な書き方
細かなミスをできるだけ減らし、読み手に伝わりやすい文章を心がけることが大切です。
英検ライティングで高得点を取るためのコツ
英検ライティングで高得点を取るためには、以下のようなコツを押さえておくと良いでしょう。
設問の指示を正確に把握する
まずは、設問の指示を正しく理解することが大切です。何について書くべきなのか、どのような内容を含めるべきなのかを見極めましょう。時間が許す限り、設問を何度も読み返すことをおすすめします。
アウトラインを書く
本文を書き始める前に、簡単なアウトラインを作成しましょう。文章の構成を整理し、論点を明確にするのに役立ちます。
時間配分に気をつける
与えられた時間内で文章を完成させる必要があるため、時間配分にも気をつけましょう。目安としては、設問の確認とアウトライン作成に全体の1割、執筆に7割、見直しに2割程度の時間を充てるのが良いでしょう。
シンプルな文章から書き始める
英作文に自信がない場合は、難しい表現を避け、簡単な文章から書き始めることをおすすめします。基本的な文型を使いながら論理的に展開し、徐々に詳細を加えていきましょう。
添削者の視点を意識する
英検の採点は、一般の英語ネイティブではなく訓練を受けた採点者によって行われます。採点者の視点を意識し、採点基準に沿った文章を心がけると良いでしょう。
英検ライティングの採点に関する疑問
英検ライティングの採点に関して、受験者からは以下のような疑問の声が上がることがあります。
- 英検ライティングの採点は甘いのか?
- 内容が合っていないのに合格点をもらえるのはなぜ?
- 採点アプリやサイトは信頼できるのか?
- AIによる自動採点は正確なのか?
確かに、「英検で合格ラインギリギリの点数でも合格できた」というケースは少なからず存在します。また、内容的に不十分と思われる解答でも意外と高得点を取れたという話も耳にします。
ただし、そうしたケースはあくまで例外的なものと捉えるべきでしょう。英検ライティングの採点基準は厳格に設定されており、合格ラインギリギリの低得点で合格できるケースはごく稀です。
また、内容の誤りについても、多少の論点のずれは許容される傾向にあるものの、設問の趣旨を大きく外れた解答は厳しく評価されます。「ライティングで不合格になった」という声も数多く聞かれるのが実情です。
採点アプリやサイトについては、あくまで参考程度に活用するのが賢明でしょう。最終的な判定は人間の採点者によって行われるため、アプリやサイトの評価を過信するのは禁物です。
AIによる自動採点は、近年急速に発展しており、かなりの精度で人間の採点に近い評価ができるようになってきました。しかし、現時点ではAIのみで合否判定が行われているわけではありません。あくまで人間の採点者の判断を補助するツールとして活用されています。
いずれにせよ、英検ライティングの採点基準が甘いわけではありません。合格を目指すなら、しっかりとした対策を行い、自分の力で高得点を取ることが肝心です。
英検ライティングで使える表現
英検ライティングで使える表現をいくつか紹介しましょう。
意見を述べる表現
- In my opinion,…
- I believe that…
- From my point of view,…
- It seems to me that…
- As far as I’m concerned,…
理由を述べる表現
- This is because…
- The reason for this is that…
- One reason is that…
- Another reason is that…
- This can be attributed to the fact that…
例を挙げる表現
- For example,…
- For instance,…
- To illustrate this point,…
- A case in point is…
- Take … as an example.
結論を述べる表現
- In conclusion,…
- To sum up,…
- In summary,…
- All in all,…
- To conclude,…
これらの表現を適切に使いこなすことで、より説得力のある英文を書くことができるでしょう。
まとめ
英検ライティング試験は、合格を勝ち取るためには相応の対策が必要とされる試験です。設問の指示を的確に把握し、論理的な文章を組み立てる力が問われます。
単に難しい語彙や表現を使えばいいわけではありません。読み手を説得できるような主張を、シンプルかつ的確に伝える技術が求められるのです。
英検ライティングの学習には手間と根気が必要ですが、ここで培ったスキルは実社会でも必ず役立つはずです。合格を目標に、諦めずに努力を続けていきましょう。
おすすめ情報
項目 | 詳細 |
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参考書 | 『英検ライティング 合格への道』シリーズ |
問題集 | 『英検ライティング過去問題集』シリーズ |
対策講座 | 英検ライティング対策オンライン講座 |
添削サービス | プロ講師による英検ライティング添削 |
英検ライティング試験の合格は、努力次第で誰にでも可能です。本記事で紹介した情報を参考に、効率的かつ効果的な対策を進めていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。英検ライティングの合格を目指して、一緒に頑張っていきましょう!