英語パンダ
純ジャパ独学でTOEIC満点取得。 独学勉強法にはこだわりを持ち、大学受験では偏差値40から有名大学へ自力合格。 大学卒業後、某上場企業へ入社し、海外駐在を経て子会社代表に30代で就任。
その他

“IMAO” – スラングから覗く若者の素直な心

※本サイトは一部アフィリエイト広告が含まれております。

「IMAO」という言葉をご存知でしょうか。これはネットスラングの一種で、近年の若者を中心に爆発的に広まっています。一見意味不明な単語ですが、その奥には若者たちの生の声が込められているのです。本記事では、IMAOの由来から具体的な使われ方、さらにはその言葉に秘められた思いまで、余すところなく掘り下げていきます。単なるスラングの範疇を超え、若者文化の一端を垣間見ることができるでしょう。

IMAOとは何か?

まずはIMAOという言葉の定義を確認しましょう。

IMAO = In My Arrogant Opinion の略語

つまり、「私の威圧的・押し付けがましい意見では」を意味するスラング表現なのです。自分の意見を押し付けることに対する自覚を込めた、いわばセルフ身勝手さへの皮肉のようなニュアンスが感じられます。

このIMAOという言葉は、インターネット上の掲示板やSNSなどを通じて生まれたネット用語のひとつです。利用者同士のやり取りの中で、自身の考えを主張する際に「IMAO〜」とつけて使われるようになったと言われています。

2010年代に入ってからは、ソーシャルメディアの発達に伴い、IMAOの利用シーンが更に広がっていきました。今やこのスラングは、オンラインだけでなく実際の会話の中でも若者の間で頻繁に使われる存在となっているのです。

“IMAO”の具体的な使われ方

さて、IMAOはどのような場面で使われているのでしょうか。以下では、代表的な使用例をいくつかご紹介します。

【自身の意見を主張する時】
「IMAOだけど、昨日の試合のあのプレーはファールだった」

【シャレた言い方で主張を殺ぐ時】
「IMAOなんだけど、今日くらい遅刻してもよくない?」

【ネット上で意見を交わす際】
「IMAOですが、それは賢明な判断だと思います」

このようにIMAOは、肯定的であれ否定的であれ、自身の考えや意見を主張する際に使われがちです。極端なケースだと、相手を完全に無視して自分の意見をストレートに主張する言い方にもなり得ます。

一方で、”IMAOなんだけど”と前置きをすることで、主張の強さを和らげる効果もあります。つまり、自分勝手に見えるのを自覚した上での発言なのです。

このような使われ方から分かるように、IMAOには大きく二通りの要素が備わっています。それは、

  1. 自身の意見をはっきり言う
  2. しかし過激さは控えめにする

と言った、二つの相反する要素です。この微妙な狭間にあるバランス感覚が、IMAOという言葉に込められた若者の姿勢なのかもしれません。

素直な気持ちを吐き出す”IMAO”の役割

ここまでIMAOの概要と具体例をご紹介してきましたが、一体なぜこのようなスラングが若者に受け入れられたのでしょうか。その要因を探るには、IMAOが生まれた背景に目を向ける必要があります。

IMAOは主に、リアル世界での発言に対する一種のクッションとしての役割を果たしてきました。つまり、わざと自分主張を弱める言い回しをすることで、素直な気持ちを伝えつつも攻撃的に見えないよう配慮しているのです。

このスラングの背景には、オンライン上の匿名性あふれる空間で育った若者たちの心理があると言われています。SNSなどで「自由に発言できる」反面、炎上のリスクに常にさらされているというジレンマを抱えているのです。

そんな中でIMAOは、素直な意見の吐き出し口となり、かつリスクヘッジの役割も果たしてきた側面があります。単なるオピニオン主張ではなく、自己防衛の意味合いも込められているのがスラングならではの使われ方と言えるでしょう。

IMAOが映し出す世代間ギャップ

IMAOをめぐっては、世代間での温度差があることも指摘されています。一般的に大人世代は、IMAOを「自分勝手な意見の押し付け」と受け止める可能性が高いのです。

しかし、そこには世代間の微妙なギャップが存在します。若者側から見れば、IMAOは自分の意見を主張しつつも過激さは抑えた、上品な提案の仕方なのです。すなわち、素直で控えめな気持ちの発露なのです。

例えば、先ほどの “IMAOなんだけど、今日くらい遅刻してもよくない?” という提案を、大人世代が 「調子に乗った若者が遅刻を許可を求めている」と受け止めるかもしれません。しかし、実際の発言者はIMAOという言葉を盾に、遅刻を肯定的に提案しつつも謙虚さを込めているのです。

このように、発信者と受け手で認識の違いが生じるIMAOをめぐっては、世代間のズレが如実に表れています。大人側の保守的な見方と、若者の新しい発想の狭間で、IMAOは一種の溝を生み出しているのかもしれません。

IMAOが指し示す若者の在り方

最後に、IMAOという言葉を通して見えてくる、若者ならではの生き方や発想についてもお話ししたいと思います。

IMAOは一見批判的に聞こえますが、その実態は控え目で丁重なニュアンスを帯びています。主張と配慮、さらには素直さと狡猾さが合体したスラングだと言えるでしょう。

つまり若者は、IMAOという言葉に込められたような柔軟な思考力を身に付けているのです。一つの意見を全面的に主張したり、投げ捨てたりするのではなく、相手への気遣いを忘れない綱渡りの精神を持っているのかもしれません。

さらに、そうした対極的な要素を上手に使い分けられることから、若者たちの高い状況対応力も窺えます。こういった側面にこそ、IMAOに込められた若者の生き抜く知恵が隠されているのだと考えられます。

つまり、IMAOという一つのスラングを通して、上品さと自己主張、配慮と誠実さ、さらには大人への批評までも垣間見られるのです。この言葉に象徴されるような、ある種の緩やかな生き方がミレニアル世代の特性なのかもしれません。

まとめ

今回は「IMAO」というネット由来のスラングに焦点を当て、そこから見えてくるモノを存分に拾い上げてきました。一見意味不明な言葉ですが、その奥には若者の生の生き方や価値観すら映し出されていたのです。

控え目で誠実、それでいて時には大人への批評の眼差しも備えた、柔軟な発想が見られました。そして何より、常に相手への配慮を忘れない姿勢が垣間見えたことが、最大の発見だったと言えるでしょう。

IMAOという一つのスラングの中に、こうした豊かな含蓄が潜んでいたことに気づかされます。言葉は生きた存在なのです。スラングの奥に、時代の移り変わりとそれを映す世代の在り方が刻まれているのかもしれません。

だからこそ私たちは、一つのスラングから多くの機微を学び取ることができるのです。特に「IMAO」という言葉からは、取り越し苦しい深淵はなく、昂らず控え、そしてフットワークの軽さ。そんな若者たちの新しい生き方を覗くことができたのではないでしょうか。

にほんブログ村 英語ブログへ
GMAT対策におすすめの人気記事